警戒すべきはメールだけではない?AIを悪用したフィッシングの最新手口とは?

「フィッシング詐欺」と聞くと「怪しい日本語の不審なメール」をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし生成AI系ツールの登場以降、フィッシングメールの日本語は大きく「改善」しました。今や、日本語の不自然さだけで見抜くのは難しくなっています。
そして、AIの悪用は文章生成だけにとどまりません。SMS、QRコード、そして検索エンジンや生成AIチャットボットの回答までもが、攻撃者に悪用される入り口になっています。
本記事では、フィッシングの最新の手口と、今日から実践できる対策を解説します。
猛威を振るうフィッシング
IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」個人編では、「フィッシングによる個人情報等の詐取」が8年連続で選出されています。常に上位にあるということは、それだけ攻撃者にとって効果的な手口だということです。
フィッシング対策協議会によれば、2026年6月だけで7万件超の報告が寄せられています。
知っておきたい、フィッシングの最新手口
SMSを使った「スミッシング」
宅配便の不在通知や、キャリア・金融機関からの緊急連絡を装ったSMSでリンクをクリックさせ、偽サイトで情報を入力させたり、不正アプリをインストールさせたりする手口です。警察庁もSMS経由でのマルウェア配信について注意を呼びかけています。
QRコードを悪用した「クイッシング」
QRコードを読み取らせて偽サイトに誘導する手口です。通常のURLなら文字列を見て「怪しいドメインだ」「スペルがおかしい」と気づけますが、QRコードは読み取るまで中身が分からず、そうした視覚的なチェックができません。そのため、違和感に気づけずそのままサイトにアクセスしてしまいます。
こうした理由から近年急激に増加している手口です。
検索エンジン・生成AIチャットボットを悪用した誘導
生成AIチャットボットや検索エンジンに公式サイトやおすすめ商品を尋ねると、偽サイトのURLが回答されてしまう、という手口が広まりつつあります。
生成AIは学習データやWeb検索結果をもとに回答を生成するため、攻撃者がSEOポイズニング(検索結果を不正に操作する手法)などで偽サイトの評価を意図的に引き上げていると、AIがその偽サイトを「公式サイト」として誤って回答してしまうことがあります。ユーザー側は「AIが答えてくれたのだから正しいはずだ」と思いこみやすく、URLの文字列を疑うことなくクリックしてしまう点が悪用されています。
生成AIの回答は「必ず正しい」とは限らない
生成AIは学習データや参照情報をもとに、もっともらしい文章を作る仕組みです。汚染された情報を参照すると、実在しないURLや偽サイトを公式情報のように回答してしまうことがあります。
これは精度の問題ではなく、仕組み上避けきれないリスクです。だからこそ、AIや検索結果の回答を鵜呑みにせず、URLのスペルやドメインが公式のものと一致しているか確認する、初めて利用するサイトでは運営者情報や会社概要を確認するなどの基本的な確認を行う習慣が重要です。
手口を「知る」だけでも、効果がある
フィッシングの手口は年々巧妙になっていますが、逆に言えば、どのような手口があるかを知っているだけで、被害を未然に防げる場面が数多くあります。
たとえば、「クイッシングという手口がある」と知っていれば、メールに埋め込まれたQRコードを不用意に読み取らなくなります。「生成AIの回答にも誤りがあり得る」と知っていれば、AIが提示したURLを鵜呑みにせず、一呼吸置いて確認する習慣が生まれます。
ユーザーの一人ひとりが手口を知り、違和感に気づけることが被害を防ぐ第一歩になります。
セキュリティ製品を選ぶ際のポイント
ただし、対策のすべてをユーザーの心がけに託すのは現実的ではありません。特にQRコードや生成AI経由の誘導のように、リンク先に遷移するまで危険性がわかりにくい手口に対しては、技術的な対策を組み合わせることが有効です。
CheckPoint社の製品は独自の機能である「ゼロフィッシング」機能を搭載しており、Webサイトとフォームを様々なパラメータに基づいてリアルタイムに検査し、 未知のフィッシングサイトもブロックすることが可能です。 また、検査中は書き込みフォームへの入力をブロックし、情報漏えいのリスクを軽減します。
まとめ
フィッシングの入り口は、もはやメールだけではありません。SMS、QRコード、そして生成AIチャットボットや検索エンジンの回答までもが悪用される時代になっています。特に生成AIは非常に便利な一方で、事実と異なる情報を回答することがあるため、利用する際は必ず自分の目で確認・検証する習慣を持つことが大切です。
そして何より、こうした手口を「知っている」こと自体が、有効な防御策になります。まずは社内で最新の手口を共有することから、フィッシング対策の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
詳細は、株式会社宝情報までお気軽にお問い合せください。

