チャットが広く普及して日常のやり取りは手軽になった今でも、重要な業務連絡や取引先との正式なやり取りはメールで行われています。そして同時に、メールはサイバー攻撃者にとって主要な侵入経路であり続けています。
この記事では、企業を悩ませる「ビジネスメール詐欺(BEC)」をはじめとするメール経由のサイバー攻撃の最新動向と、中小企業が抱えるメールセキュリティの課題、さらにそれを解決するメールセキュリティサービスの選び方とおすすめのサービスをご紹介します。
この記事でわかること
- メール経由のサイバー攻撃の最新動向と被害事例
- 一般的な対策とメールセキュリティサービスの有効性
- Check Point Harmony Email & Collaboration の特長と導入メリット
メール経由のサイバー攻撃の動向
メール経由のサイバー攻撃は今も尚、衰えるところを知りません。IPA(情報処理推進機構)が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」のビジネス部門において、「ビジネスメール詐欺(BEC)」は2018年から2025年まで毎年ランクインしています。2025年は生成AIを利用したBECの増加が指摘され、9位となりました。
BECは、取引先や上司を装ったメールを送り、振込指示や請求書の差し替えを行う攻撃手法です。巧妙な文面により、金銭的被害や情報漏えいを引き起こす事例が後を絶ちません。
また、最近では、2025年8月に、米国製造業を狙った「ZipLine キャンペーン」をセキュリティベンダーの Check Point 社が確認しました。この手口では、攻撃者はまず企業の問い合わせフォームから標的の企業に接触し、数週間のやり取りで信用を得た上で、悪意あるZIPファイルをメールで送付。従来型のフィルタでは見抜きにくく、メールセキュリティの高度化が求められる事例となりました。
企業ができる一般的なメールセキュリティ対策
ここで、メールの基本的なセキュリティ対策をご紹介します。
- 多要素認証(MFA)の導入:メールアカウントの乗っ取り防止
- 送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)の設定:なりすましメール対策
- 定期的なセキュリティパッチ適用:メールサーバーやクライアントを最新に保つ
- 従業員教育:不審な添付ファイルやリンクを開かない習慣を徹底
しかし、これらの対策だけでは、BECや前述のZipLineキャンペーンのような高度なメール攻撃を完全には防ぎきれません。そこで、より高度なセキュリティ対策を講じるために、近年では多くのメールセキュリティに特化したサービスが登場しています。
メールセキュリティサービス選定においては、特に以下の3つの要件を満たせるかどうかがポイントとなってきます。
- 添付ファイルの検査
- BEC・なりすまし対策
- スパム・迷惑メール対策
Harmony Email & Collaboration のご紹介
企業がクラウドメールを導入するにつれて、そのセキュリティ対策として、クラウドネイティブなサービスの需要が高まっています。クラウドメール環境では、クラウドネイティブに対応したメールセキュリティサービスの導入が有効です。
Check Point Harmony Email & Collaborationは、Microsoft 365・Google Workspaceに対応したクラウド型メールセキュリティサービスです。
主な特長
- 添付ファイル検査:サンドボックスで添付ファイルを自動解析
- PPAP対策:パスワード付きZIPファイルの検査(ZipLineキャンペーンのような攻撃に有効です)
- フィッシングメール対策:BECやなりすましメールを送信元アドレスのチェックやメール本文・リンク分析で判定
- スパム対策:業務を妨げる迷惑メールをブロック
クラウドメール環境にシームレスに統合できるため、既存システムを変更せず導入可能。セキュリティ対策の負荷を軽減しながら、BECを含むメール脅威から企業を守ります

まとめ|メールセキュリティは再注目の時代に
メールは今も尚、企業活動の中心的な役割を担っています。巧妙化するBECやZipLineキャンペーンのような多段階のソーシャルエンジニアリング型攻撃に備えるには、単なるスパム対策だけでは不十分です。メールセキュリティが再注目される今、高度なメールセキュリティ対策が可能なサービスの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。