近年、企業を取り巻くサイバー攻撃は増加の一途をたどっています。
特にランサムウェアは、IPAが発表する「情報セキュリティ10大脅威 2025[組織]」において10年連続でランクインするなど、
依然として深刻なリスクです。実際、ランサムウェアの侵入経路としてVPN経由が最多の55%を占めており、
VPNは攻撃者にとって格好の標的となっています。
本記事ではVPNが狙われやすい理由と対策が可能な製品についての紹介をいたします。
なぜVPNが狙われるのか?
VPNが攻撃対象となる背景には、構造的な課題があります。
VPNは「一度接続が許可されると社内ネットワークの広範なリソースにアクセスできる」という特性を持ちます。
このため、攻撃者が一度侵入に成功すれば、大きな成果を得やすい環境が整ってしまうのです。
さらに、VPNは外部攻撃だけでなく内部不正リスクも孕んでいます。
IPAの脅威ランキングにおいても
「内部不正による情報漏えい」が挙げられているように、過剰なアクセス権限を持つ社員が
意図的または偶発的に情報を持ち出す可能性は無視できません。

VPNでの対策が困難な理由
VPNの性質上、接続が確立された時点で「信頼済みの通信」と見なされるため、アクセス範囲を 細かく制御することが難しいという構造的課題があります。
このため、従来型VPNの枠組み内でリスクを完全に解消することは困難であり、 追加の仕組みや新しい対策を検討する必要があります。
対策製品の紹介
こうしたVPNの抱える課題に対し、弊社では下記の製品を取り扱いしております。
Harmony SASE Private Access

業務に必要な最小限のアクセス権限に限定することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。 また、ブラウザベースでの利用にも対応しているため、 これまでアクセス許可が難しかった外部の委託先などにも、安全かつ柔軟に情報共有が行えるようになります。
さらに、端末にエージェントをインストールするだけで、フルメッシュ型のネットワーク環境を自動的に構築。社員数や拠点数が増加した場合でも、ネットワーク設計の見直しや大規模な再構築は不要。 運用負荷の少ないネットワーク環境を維持することが可能です。
SonicWall CSE Private Access

SonicWall CSE Private AccessはVPNの機能をクラウドで提供するVPNaaS製品です。 クラウドでVPNの機能を実装することで、パッチの未適用などの狙われがちな点や機器故障のリスクをカバー。
従来のVPNの自由度の高さは残しつつもセキュリティ強度を向上させることに成功しています。 もちろんZTNA機能もライセンスよって保持していますので目的にあわせた導入が可能です。
SingleID

高度な認証機能を備えたIDaaS製品です。 ID管理の他、パスワードや二要素認証に加え、PKI(公開鍵基盤)を認証方式として提供しています。 大きな特徴としては、本製品は無線APやVPN機器などのネットワーク機器の認証にも対応している点です。 これにより適切なアクセス権限をユーザーに付与することができます。
まとめ
VPNはリモートアクセスの基盤として長年利用されてきましたが、その構造的特性ゆえに攻撃者に 狙われやすく、内部不正のリスクも抱えています。 こうした課題に対しては、従来型VPNの延長ではなく、新しい仕組みや技術を導入することが不可欠です。