リモートワークの定着により、在宅勤務やモバイルワークなど、場所を選ばない働き方が主流になりつつあります。
リモートワークは日常業務における利便性の向上のみならず、緊急事態において業務を継続するための有効な手立てとなります。一方で、十分なセキュリティ対策を行っていなければ、情報漏洩やマルウェア感染、通信傍受といったリスクを伴います。
本記事では、リモートワークにおいて必要となるセキュリティ対策の考え方についてご紹介します。
リモートワークのセキュリティ対策の課題
まずは、リモートワークへの移行によって、企業のセキュリティ体制にどのような変化が求められるようになったのかを振り返ってみましょう。
管理の問題
リモートワークへの移行により社外で業務を行うこととなり、これまでの社内環境のように管理者による一元的なセキュリティ管理を行うことができなくなりました。
外部のクラウドサービスが利用されるようになった
社員が業務に利用するシステムとして、社内のシステムだけでなく、外部のクラウドサービスも広く活用されるようになりました。
場所や端末を問わずアクセスされるようになった
1人のユーザが複数の端末を使い分け、さまざまな場所やネットワークから業務に関わるシステムやデータにアクセスするようにビジネス形態が変化しました。
リモートワークの普及で、クラウド活用と多様なデバイスからの接続が当たり前になりました。これにより、従来の「社内は安全」という境界型セキュリティでは、社外に置かれたデータやデバイスを守ることが困難になりました。
オフィスという境界がない今、自宅やカフェなどセキュリティ管理が難しい場所での業務が増えたため、新たなセキュリティ対策が求められています。
リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃
このような状況につけ込み、リモートワーク環境を狙った攻撃も急増しています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した2025年の「情報セキュリティ10大脅威」では、組織部門で「リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃」が6位にランクインしました。
VPN機器の脆弱性や認証情報の窃取など、企業ネットワークへの侵入経路として狙われるケースが増加しているのです。これは、リモートワーク環境がサイバー攻撃の新たな標的になっていることを明確に示しています。
クラウドの活用とリモートワークにより生産性を高めた環境には、高度なセキュリティ対策が必要不可欠となっています。
リモートワーク時代のセキュリティモデル「SASE」
リモートワークを取り巻く脅威への対策として、クラウド利用に最適なセキュリティアーキテクチャである「SASE(サシー)」が注目されています。
SASEとは、いつでもどこからでも接続できる「ネットワーク機能」と接続の安全性を確保できる「ネットワークセキュリティ」をクラウドで統合し、ユーザーやデバイスに提供する仕組みです。
従来の「社内ネットワークは安全」という境界防御の考え方ではなく、ソフトウェア上に仮想的な境界を設けることで、ネットワーク内外を区別せずにどこからでも安全なアクセスを実現します。
ゼロトラストの考え方に基づき、アクセスを試みるすべてのユーザーや端末を「何も信頼しない」前提で、その都度認証と評価を行います。
これにより、ネットワーク内外を問わず、様々な脅威からシステムやデータを守ります。SASEを導入することで、従業員は場所を選ばず、企業のデータやシステムに安全にアクセスできるようになります。
中小企業におけるSASE導入の課題
リモートワークのセキュリティ対策の一つとして、SASEの仕組みについてご紹介しました。
しかし、SASEは管理・運用に人的リソースやコストがかかるため、すぐに導入しにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?
さらに、「SASEを導入すれば完全なゼロトラスト体制が実現できる」というような単一のソリューションは、現状存在しません。そのため、セキュリティ担当者が不在の中小企業にとっては、導入・管理・運用のすべてが大きな負担となります。
そこでおすすめなのが、専門的な知識がなくても手軽に導入・運用できる「Check Point Harmony SASE」です。

このソリューションは、強力な多層防御をクラウドで提供。アプリをインストールするだけで、場所を問わず安全な接続を確保できます。
また、10名から利用でき、必要なライセンスを柔軟に追加できるため、企業の成長に合わせて無理なく導入することが可能です。日々の運用管理も専門家がサポートするため、セキュリティ担当者がいなくても安心です。
このように、Harmony SASEは「手軽さ」と「専門的なサポート」を両立し、中小企業のリモートワーク環境を安全に守ります。
このほかにも、宝情報ではリモートワークのセキュリティ対策に有効な様々な製品を多数取り扱っています。セキュリティ製品導入の際は、自社の規模、環境などを考慮し、最適な製品を選定する必要があります。