「中小企業もサイバー攻撃の標的に」認識している企業は1割未満

一般社団法人 日本損害保険協会は、「中小企業の経営者のサイバーリスク意識調査2019」を発表しました。
この調査は、中小企業のサイバーリスクに対する意識や対応状況、サイバー攻撃による被害状況を把握するため、中小企業の経営者・役員を対象に実施されました。

5社に1社はサイバー攻撃による被害を経験

サイバー攻撃による被害を受けたと回答した中小企業は約2割(825人中155人)を占めました。その中でも、最も多かったのが「ビジネスメール詐欺」や「フィッシングサイト」による被害です。後に「マルウェア」や「ランサムウェア」による被害が続いています。
中には、被害総額が「1,000万円以上~1億円未満」に上る事例もありました。
被害の影響としては、「原因の調査・復旧対応にかかる費用の捻出」が最も多く、後に「営業機会の損失」、「納期遅れ」、「取引先からの受注停止・減少」が続きました。

サイバー攻撃による被害内容

一般社団法人 日本損害保険協会 より

自社がサイバー攻撃の標的となることを認識している企業は1割未満

中小企業もサイバー攻撃の標的となり、実際に多大な被害を受けていることが分かりました。
しかしながら、以下の集計結果からは、企業規模が小さいほど自社が攻撃の標的になるという認識が低くなることが窺えます。

サイバー攻撃の対象となる可能性

一般社団法人 日本損害保険協会 より

また、80% 以上の中小企業がサイバー攻撃のリスクを認知しているものの、「内容について詳しく知っている」と回答した企業は 27.2% にとどまりました。更に、約半数の企業はサイバー攻撃の被害を十分イメージできていないという結果が出ました。

サイバー攻撃の内容

一般社団法人 日本損害保険協会 より

4社に1社は、セキュリティ対策をしていないと回答

中小企業におけるサイバー攻撃に対する認識の低さが顕わになりましたが、ここで実際の対応状況について見ていきましょう。
「サイバー攻撃に対する対策はしていない」と回答した企業は 24.0% に上りました。しかしながら、セキュリティ対策を行っている企業においても、「OSやソフトウェアの脆弱性管理、ウイルス対策ソフトの導入」をしている企業は僅か 52.4% と、その対応状況は十分なものとは言えません。

サイバー攻撃の内容

一般社団法人 日本損害保険協会 より

また、セキュリティ対策が「必要だと感じている」と回答した企業は3割未満でした。企業規模が小さいほどセキュリティ対策の必要性を感じる企業が少なくなっています。更に、セキュリティ対策は、他の経営課題と比べると優先度が低い項目だと捉えられています。

サイバー攻撃の内容

一般社団法人 日本損害保険協会 より

中小企業の経営者は「収益性の向上」や「人材の育成」など、多岐に渡る経営課題を抱えています。その中で「サイバーリスクへの対応」に対する優先度はわずか 1.6% と極めて低い結果となりました。

中小企業がセキュリティ対策を行う上での課題

これまでの集計結果から、中小企業のセキュリティ対策が進まないのは、経営者の多くが自社に対する具体的な被害をイメージできていないことがひとつの大きな原因であることが窺えます。
では、実際に中小企業がセキュリティ対策を行う上で弊害となっている要素には、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。
課題としては、主に「費用不足」や「人手不足」が挙げられました。また、中小企業は大企業と比べ、「サイバー攻撃の対策方法がわからない」「誰に相談すればよいのかわからない」と回答した割合が大きいのも特筆すべきポイントです。

サイバー攻撃の内容

一般社団法人 日本損害保険協会 より

このように、中小企業においては、セキュリティ対策の進め方がイメージできていない実態が浮き彫りになりました。
先述の通り、中小企業もサイバー攻撃の標的となり、多大な被害を受けています。 IPAが発表した「情報セキュリティ10大脅威」では、社会的影響が大きかったと考えられる脅威して「サプライチェーンの脅威」が2年連続で4位にランクインしています。
2020年は東京オリンピックを控え、国内企業へのサイバー攻撃が急増することが考えられます。それに伴って、セキュリティ対策が進んでいない中小企業がサプライチェーン攻撃により狙われる可能性は更に増えるでしょう。
「費用不足」や「人手不足」に悩む中小企業の場合、セキュリティ投資に二の足を踏むケースも少なくありません。その場合は、UTM等のセキュリティ製品を導入することが対策の第一歩となります。
Check Point SMB 向けアプライアンス は、エンタープライズレベルのセキュリティ機能を搭載しながら、中小企業様も導入しやすい価格帯を実現。導入から運用・サポートまで、すべてお任せいただけます。

詳細は、株式会社宝情報までお気軽にお問い合せください。

関連記事

製品の取り扱い・導入についてはお気軽にお問い合わせください

TOP