チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社(以下、Check Point社)が2024年6月のマルウェア検出数ランキングを発表しました。ダウンローダー「FakeUpdates」が変わらずトップを維持しており、6月は、バックドア「BadSpace」の拡散に利用されました。
2024年6月 マルウェア検出数ランキング トップ10
▼ モバイル端末の場合は横にスクロールしてご覧ください。順位 | 前月比 | マルウェア | 解説 |
---|---|---|---|
1 | → | FakeUpdates | ダウンローダー。 アップデートと偽り、様々なマルウェアを二次ダウンロードする。 |
2 | → | Androxgh0st | ボットネット。 WindowsやMac、Linux 等多岐にわたるOSを標的とする。 |
3 | ↑ | AgentTesla | 遠隔操作マルウェア。 キーボードの入力情報や画面のスクリーンショットから認証情報を窃取する。 |
4 | ↓ | Qbot | バンキング型トロイの木馬。 ユーザーの銀行の認証情報とキーストロークを窃取する。 |
5 | ↑ | FormBook | 情報窃取マルウェア。 ウェブブラウザなどから情報を窃取する。 |
6 | ↓ | Remcos | 遠隔操作マルウェア。 Microsoft Windows UACセキュリティをバイパスするように設計されている。 |
7 | ↓ | Phorpiex | ボットネット。 スパムメール経由で他のマルウェアを拡散する。 |
8 | ↑ | NJRat | リモートアクセス型トロイの木馬。 フィッシングやドライブバイダウンロードを通じて感染する。 |
9 | ↓ | AsyncRat | トロイの木馬。 Windowsを標的とする。 |
10 | ↓ | Glupteba | ボットネット。ブラウザ情報の窃取やルーターの脆弱性を突いた攻撃を行う。 |
BadSpace が FakeUpdates により拡散
6月は、ダウンローダー「FakeUpdates」を用いてバックドア「BadSpace」が拡散されるキャンペーンがCheck Pointの研究チームによって確認されました。偽のブラウザのアップデート通知によりFakeUpdateをダウンロードしてしまうと、BadSpaceがダウンロードされ実行される仕組みです。
BadSpaceは侵害されたシステムへの不正なリモートアクセスを実行するバックドアです。サンドボックス検知回避機能を持つだけでなく、C&Cサーバーとの通信も暗号化し、通信の遮断を困難とする極めて厄介なマルウェアです。
RansomHub ランサムウェアが活発化
2024年6月は、ランサムウェアの動向にも変化が見られました。
Check Point の発表によると、2月にテイクダウンが実施された「LockBit」のグローバルでの被害件数は、4月には27件まで一気に減少し、5月には170件と増加が見られたものの、6月には20件未満となりました。このことは、LockBit衰退の可能性を示唆しています。
一方で、ランサムウェアグループ「RansomHub」が台頭し、6月には新たに80件の被害が発生しています。RansomHubは2024年2月に初めて確認され、出現以来、Windows、macOS、Linux、特に VMware ESXi 環境を含むさまざまなシステムを標的としたキャンペーンで急速に拡散してきました。
日本国内においても日々報道されているように、ランサムウェアによる被害は止まる所を知りません。ランサムウェアとその対策の詳細については、次の記事をご覧ください。
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Check Point の「グローバル脅威指標」は、Check Point のクラウド上に存在するセキュリティ脅威情報基盤 「ThreatCloud」に基づいて作成されています。
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